埼玉県の人口/高校の分布図を作成。

今回は「埼玉県の人口/高校の分布図を」作成した。

(詳しいデータはこちらよりダウンロードできます。)

なお、本来ならば15歳以下(あるいは20歳以下?)の人口で割るべきではあろうが、データが読み取りにくく今回は総人口比で計算している。

なお、人口のデータは2015年国勢調査を、高校の定員数は2019年の定員を利用した。今年(2019年)は、川越・川越女子などの名門校から定員を削減させられ、一方で増えたのは鷲宮高校のみであった。


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色が明るいほど(赤に近いほど)人口に対する高校の定員数が多く、また逆に暗いほど(青に近いほど)人口に対する高校の定員数が少ないことを示す。

1位 伊奈町 56人/名
2位 滑川町 65人/名
3位 越生町 73人/名
4位 杉戸町 81人/名
5位 鳩山町 90人/名

市1位 羽生市 91人/名


ワースト1位 吉川市   581人/名
ワースト2位 ふじみ野市 462人/名
ワースト3位 富士見市  450人/名
ワースト4位 戸田市   378人/名
ワースト5位 日高市   353人/名
 

一番人口比に対する高校の定員数が多かったのは伊奈町で、町の人口56人に対し定員1人があるという状態だ。これは同町に国内の公立高校で最大の生徒数を誇る伊奈学園総合高校(ちなみに「学園」と付くが私立ではなく、また「総合」と付くが総合学科ではなく(総合選択制とはいえ)普通科の高校である。「伊奈」は事実だが)があることが要因である。同高校の定員は800人であり、同町の人口が約4万人であることを考えると極めて高い数値が出るのは当然であろう。

杉戸町には、埼玉の町で唯一高校が2校存在し、定員の合計は560人となる。

伊奈町と杉戸町を除くと、比企・西入間の過疎化が著しい町がランクインしている。過疎化が進むと人口に対する子供の数が減少するため、必然的にこの数値は高くなってしまうのが事実である。その「わずかな子供達」でさえも、周辺の大きい都市(比企エリアであれば川越か東松山)に頭の良い生徒は流れ、結果的に統廃合を免れないということにもなってしまう。結果的に統廃合され、無高校自治体となってしまった町には、毛呂山町(毛呂山高校が2008年に廃校)や吉見町(吉見高校が2005年に廃校)、ときがわ町(玉川工業高校が2013年に廃校)などの例が挙げられる。
また、同地域は全国でも屈指の低出生率地帯であることも挙げられる。特に毛呂山町(0.90、但し同町には埼玉医大が存在し、同大学が人口の中でも特に若年層を著しく増やしていることも要因)や鳩山町(0.96、高校は90人/名)などは1を割り込んでおり、小川町(1.05、高校は156人/名)、ときがわ町(1.07)、吉見町(1.09)もまた1.0台と全国・県平均を大きく下回る。これらはバブル期に開発されたいわば「東京都市圏の周縁部」にもあたり、これらの若者が流出していることも要因ではあろう。

市1位は羽生市が市で唯一の2桁台となった。これは、同市の人口約5万5千人に対して高校が3校(定時制の羽生高校も含めると4校)存在することも挙げられる。
他に100~150人/名の市を見ると、川越市(146)、熊谷市(108)、久喜市(112)などが挙げられる。これらの市は同エリアの中心的な存在であり、人口に対する高校の数・定員数ともに多い。羽生市に関しては「周縁部」にも該当するが、同市には加須市との市域スレスレに高校(誠和福祉高校)が存在するほか、群馬からの通学も可能な市でもある。

ところかわってワーストには吉川市、ふじみ野市、富士見市などがランクインした。これらはいずれも新興住宅地であり、高校の新設がひと段落した1970年代から急激に成長した都市だ。これらの市は鉄道路線・駅を中心に人口が増加(吉川市は武蔵野線、ふじみ野・富士見は東武東上線、戸田市は埼京線)し、また隣接自治体や私立への志向も大きいのではなかろうか。とりわけ、ふじみ野市は人口比での定員数が少ない自治体であるにも関わらず統廃合(2013年:福岡高校+大井高校→ふじみ野高校)が起きている。日高は鉄道が強いわけでもないが、おそらく川越方面への通学者数が著しくおおいのではなかろうか。

ここで気になるのが加須市である。加須市は11万人の人口だが公立高校は1つである(他に私立高校が2校存在)。但し、同市域には2000年代まで高校が3校(不動岡、騎西、北川辺)存在していた。しかし、騎西が羽生市の不動岡誠和高校と合併、北川辺が久喜市の栗橋高校と合併し、ことごとく市域から高校を奪われる展開となり、312人/名という数値を叩き出すこととなったのだ。

さて、埼玉の公立高校もここからさらに10校減るという方針が出ている。この先どうなるのかは、今後も当サイトで書いていくことにする。

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