【都営地下鉄】300km鉄道網の合併は、早急に行われるべき【東京メトロ】

さて、東京には地下鉄会社が2つある。
東京地下鉄株式会社(旧:帝都高速度高速営団、通称「営団地下鉄」あるいは「営団」)が運営する「東京メトロ」と、東京都交通局が運営する「都営地下鉄」だ。なぜ2社あるかというと、それは営団(当時)では採算が取れず建設が難しい路線を、都が開通させたことに由来する。

東京メトロは9路線195.1kmを有し、都営地下鉄は4路線109.0kmを有す。両社の合計は13路線304.1kmである。両社の合併は予てよりうわさがあったものの、猪瀬元知事の「バカの壁」騒動を最後に合併に関してはほとんど耳にしなくなった。

都営地下鉄はまだ大江戸線の巨額の建設費が残っている。東京メトロは早い段階での上場を目指しているため、新線には消極的だ。豊洲から住吉を結ぶ「豊住線」に消極的なことからもわかるだろう。しかし、合併は早急に行われるべきだ。

理由として、まずオリンピックを挙げることも可能だ。といっても、あと3年そこらで一気に切り替えを進めるのは至難の業だ。ただでさえgdgdなオリンピック、言い訳にはちょうどいいが3年でどうこうできる問題ではないだろう。早くて2022年頃になるはずだ。
それ以外に、理由をいくつか挙げることができる。
1つは、都営が単年で黒字を上げていること。2006年に47年目にして初の黒字を挙げた都営地下鉄は、その後も収益は増加。この頃は大江戸線の赤字を(減価償却の済んだ)3路線で補填する形になっていたが、大江戸線の減価償却が進めば、まもなく大江戸線も黒字転換するだろう。8000億の債務はすぐに返せるものでもないが、都営とメトロの合併による「経済効果」もあるため、長期的な視点で見れば大きな利益と変わるだろう。
2つ目に、「一元化によるコスト削減」である。短期的には乗り継ぎ利益を失い大幅な利益減になるが、それでも300kmの鉄道網を統合することによって、かなりの人員を削減することができる。また、ルートもわかりやすくなるため、外国人や来訪者にとっても便利なものとなるだろう。

問題は、運賃である。メトロより都営のほうが高い。このため、メトロにいきなり合わせてしまうと、ただでさえ安くなってしまう上に、乗り継ぎの運賃まで消えるから、旧都営の路線の利益は悪化してしまうだろう。このため、一時的な加算運賃を旧都営の路線(特に大江戸線)、および新規に開業する豊住線にかけるべきだと考える。これはJRの地方交通線や名鉄のB線・C線のように、一部の路線の営業キロに一定の係数をかけて徴収する。ただ、これを地下鉄でやると混乱を招きかねないという難点もある。

そして、ある程度安定してきたら、メトロと都営、豊住線の運賃を一元化する。ゾーン制を設けるのもありだが、外で乗り換えるのならともかく、一定地域ごとに区切るのは場合によっては混乱を招くかもしれない。できればメトロに統一すべきだが、場合によっては都営の運賃に統一しないといけないのだろうか。

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